文部科学省大学等シーズ・ニーズ創出強化支援事業 ~COIビジョン対話プログラム~ ・機関名称 国立大学法人 福井大学 ・事業責任者 学長 眞弓 光文 ・事業実施組織名称 産学官連携研究開発推進機関 ・事業実施責任者 産学官連携本郡長 米沢 晋

事業のテーマ・目的

「地域産業界と協働した迅速な試作・試販売体制の構築と実践」をテーマとし、地域産学官連携活動の深化を目指すとともに、その中に大学院生などの関与を誘導し、「活気ある持続可能な社会の構築(ビジョン3)」に資するラピッドプロトタイピングを実施する。その活動をOJT対象とし、地域に定着するイノベーション人材の育成を行うほか、イノベーションを先導する人材=ものづくり企業群の社長らによる直接的な指導を受ける企業塾活動などを通じて、ものづくり現場で鍛えられたプロダクトデザイン能力や事業嗅覚(社会受容性評価感覚)を一体とする思考過程の習得、定着を図り、イノベーション創出を遂行する。

図表1

テーマ1

行動経済学に基づくビジネス・金融経済ゲームの研究開発

行動バイアスに対する気づきを得て、社会全体の金融リスクを軽減する。

所 属:産学官連携本部

教員名:竹本拓治

行動経済学に基づくビジネス・金融経済ゲームの研究開発「複雑な情報処理」と「リスク・不確実性」などによる行動バイアスに注目し、ゲーム操作者の行動ログを分析し評価する。ゲームによって、ビジネスや金融経済の知識を得るとともに、行動バイアスの理解につながる。本研究開発成果により、

  • 経済合理性から逸脱する意思決定の解明
  • 将来の不確実性に対するシミュレーション
  • 社会全体リスクの縮小

などの効果を期待する。

アラームアドバイザー支援システムイメージ2

テーマ2

座位状態で身体を鍛えることができる運動器具

足・腰・上体をつないだ状態で脚を交互に屈曲伸展する。

所 属:教育地域科学部

教員名:水沢利栄

椅子に座りながら手軽に筋力および持久力を向上させることができる器具を開発した。足部と腹側部と上半身をロープと帯状ベルトで連結し、脚を伸展する際に上体も連動して動く。引っ張られる力に腹筋等を緊張させることによって負荷を変えることができる。負荷は自分自身で如何ようにも調整できるアイソメトリックトレーニングの原理を用いた。また、脚を交互に伸展を繰り返すことによって歩行に似た感覚を伴う運動ができる。

座位状態で身体を鍛えることができる運動器具イメージ

テーマ3

膝痛を緩和する運動器具

膝裏にバーを当て「もも上げ」運動。

所 属:教育地域科学部

教員名:水沢利栄

膝関節の背部に木製のバーを接触させ膝関節内のすき間が拡幅するような物理的刺激を連続することによって、膝痛を緩和する器具を考案した。両翼部分が交互に上下するシーソー構造である。両膝を乗せて交互に上下運動させることで膝の裏側を押圧する。マッサージ効果が現れるとともに膝関節のすき間が広がる。血行がよくなり、関節内の潤滑が促進させると考える。床置型、椅子型、杖型の3タイプを考案した。

膝痛を緩和する運動器具イメージ

テーマ4

導電性樹脂成型品

めっき技術を利用した研究開発である。

所 属:産学官連携本部

教員名:米沢晋

PETやポリプロピレンを含む様々な樹脂粒子への密着性の良いめっき手法を開発し、それらをプレスや押し出し等の手法により成形することで三次元的な金属ネットワークを内包する成形体の作製を可能にしてきた。成形体は板状やシート状、ブロック状はもとより糸状にもできることから、例えば柔軟性と導電性を兼ね備えた糸を作製して布に織り込むことも容易に実現できる。導電性と成形性、接着性等を組み合わせた応用展開が期待できる。

導電性樹脂成型品イメージ

テーマ5

集積化光合波器(光合波器を利用した超小型ディスプレイ)

波長が異なる3色の光を合波することで従来にはないディスプレイとなる。

所 属:工学研究科

教員名:勝山俊夫

テレビをルーペ等で拡大してみると赤緑青(RGB)のいわゆる光の三原色の点が並んでいることがわかる。色の調節はこのRGBの明るさを調節して行っている。ここで紹介する合波器は三原色のレーザー光を一本に束ねる素子であり、これを使うことで白色を含む様々な色に見えるレーザー光束を低コストで簡単に作り出すことができる。これにより超小型フルカラーレーザー光源が実現できることから、描画や通信用装置等への応用が期待できる。

集積化光合波器イメージ

テーマ6

4点支持歩行補助杖

低衝撃で安定性のある4本脚の杖である。

所 属:産学官連携本部

教員名:吉長重樹

下肢に障害のある人の歩行を補助する4点支持杖。従来の4点支持杖は、4点の脚が固定式のため、杖を突く際に斜めにつくことができず、腰や腕に大きな負荷が作用する。開発する杖の石突部は4点で地面を安定して捉え、杖本体は前後に傾斜できるため、歩行時に杖を斜め前方に突きながら安定して歩行することができ、使用者の腰や腕への負担を軽減することが可能である。

4点支持歩行補助杖イメージ

テーマ7

アラームアドバイザー支援システム

お年寄りの在宅医療と介護を支援するアラームのシステム開発である。

所 属:医学部

教員名:山村修

高齢者見守りシステムの構築を目指し研究を行っている。本システムは見守りセンサー機能、中継支援機能、地域連携機能の3つの機能からなっている。内容の概要は各種センサーによる情報の取得と中継センターへの送付、情報の解析とアラームの抽出・整理、担当者のタブレット端末への情報送付である。この中で多職種連携協働教育(IPE)に基づくアラームアドバイザーの育成と適切で確実な情報中継が本研究の中核となっている。

アラームアドバイザー支援システムイメージ1

テーマ8

立ち上がり補助車椅子

車いすの高度化を目指す。

所 属:産学官連携本部

教員名:学生チーム

下肢に障害のある人が日常生活において最も困難なのが立ち上がる動作であり、抱きかかえて立ち上がりをサポートする介護者や補助者への負担も大きく、特に、車椅子からの立ち上がり時は不安定で負担も大き。立ち上がり時の大腿部への負担を軽減するために、空圧シリンダを用いたシート持ち上げ機構を有する車椅子を開発する。着席時の負担も軽減できる。

立ち上がり補助車椅子イメージ

ワークショップ開催日程

【回数】 【開催日】 【場 所】 【内 容】
第一回 11月06日(木) 福井大学 ワークショップ活動報告へ
第二回 11月26日(木) 福井大学 タイCAS招聘ワークショップ活動報告へ
第三回 12月11日(木) 福井大学 タイタマサート招聘ワークショップ活動報告へ
第四回 01月22日(木) タイタマサート大学 タイタマサート実施ワークショップ&テスト活動報告へ
第五回 03月05日(木) 福井大学 ワークショップ&テスト活動報告へ